2020.12.30

2020年もあとわずか。

私どもにとって今年は、春から冬まで、ご依頼いただいていたステージがけっきょくほぼ全てキャンセルとなってしまったことにくわえ、自主企画も、なかなか行いにくい状況が続きましたが、対策を念入りに考え、12月13日のHappy Toco Liveも無事に終えることができました。感無量でした。

振り返りますと、初春以来、ひさしぶりの再開となった8月には、Happy Tocoの初心がつまった1st CDアルバム、そして祈りの思いをこめた4th CDアルバムに収録した楽曲を、つづけて9月は、2nd CDアルバムと3th CDアルバムに収録した楽曲を、11月は、CDアルバムには収めなかったものの、私どもが好んで取り上げてきた楽曲を、12月は、昨年12月にリリースした「しずかな しずかな しずかなユール」に収録した楽曲を中心に、プログラムをくみました。

メンバーが揃ってスタジオで練習することさえ、"日常" ではなくなった中、集まって音を出すだけでも、幸せがこみあげていました。

まして、生の響きを、目の前のお客さまにお聴きいただいて、直接、お客さまのお顔の動きを感じることができる喜び。

これはやはり、何にもかえられないものです。

そのようなこともあり……オンラインLiveのかたちも、実験として試みてはおりましたが、どうも私どもには、まだ納得のできるクオリティでお届けする自信がなく、本配信には至っておりません。

新年も、いろいろと試行錯誤しながら、私どもに合う表現のかたちで発信してまいりたいと思っております。

新年最初のLiveは、(申し訳ござませんが、1月31日に予定しておりました回は中止となりました)2月7日に開催します。

この日は、榊原光裕オリジナル楽曲を中心に演奏する予定です。

ぜひ、ご予約いただけましたら幸いです。

人類の長い歴史の中で

今年は、私たちを取り巻くいろいろなことを、否応なく見直すことになった1年となった。

音楽全般の仕事のことも含めて、舞台表現に関わる私たちにとっては、たいへん辛い風当たりとなったが、そのような中でも、多くの新しい「気づき」がもたらされたことは、せめてもの幸いだったと感じている。


「社会のなりたち」と「人の関わり」が、どんなふうに形づくられているか、改めて考えたかたも多かったのではないだろうか。

私事ながら、大学で、「情報機器」と呼ばれるインターネットやパソコンなどが、芸術とどのように関わっているのかを、音楽や映像を制作しながら実習することで体感する講義を受け持っているが、その授業がすべてオンラインとなったことで、実習ができなくなってしまった。

音楽科の授業のほうは、ほとんどの学生が自宅にピアノやキーボードを持っているので、オンラインでのやりとりでもある程度は授業(レッスン)が可能だが、音楽や映像を制作するソフト(アプリ)を備えている学生はほとんどいないため、講義の内容をほとんどすべて見直すことになった。


そこで、現代の「情報化社会」がどのように形づくられたか、そして、そもそも「芸術」と呼ばれる領域がどのようなものか、歴史を紐解きながら、一から見直してみることにした。

そこで見えてきたのは、現代の私たちの社会の在りようとそこに至る変化が、人類の長い歴史の中で、いかに“不自然”かということだった。


例えば、世界の人口の推移、エネルギー消費量の推移、経済活動の推移などのデータをグラフ化してみると、一様に、近代のある時点から、不自然なカーブを描いて上昇している。

数百万年とも言われる類人猿と人類の分化の歴史、十数万年前からの現人類(ホモ・サピエンス)の歴史の中で、この変化のしかたは、明らかに“異様”だ。

(皆さまお察しのように)この急激な変化は、産業革命といわれる「ものづくりの工業化」と、それに伴う社会構造の変化が起きた200年ほど前に始まっている。

そして、そのカーブは、直近の30年以内に、さらに加速度的に変化の度合いを高めている。それが「情報化社会」と呼ばれる現代だ。


かたや「芸術」の領域は、そういった工業化とはあまり関係ないのでは……と思われがちだが、実は、現代においていわゆる「芸術」と呼ばれるものも、現代に至るこの何百年の間に形づくられたものだ。それまでの時代においては、例えば「音楽」は、自然や、自然をつかさどる宇宙の法則の領域のものであり、それは「神の仕業」と言い表されてきた。


今回の「コロナ禍」は、ある意味で、私たちの社会の“不自然さ”を浮き彫りにしたのではないだろうか。

私たちも、芸術に関わる者の端くれとして、どのように皆さまに音楽をお届けするか、新たな表現を考える新年を迎えたいと感じている。

(光裕)

2020年のおわりに

おそらくどなたにとっても思いもよらなかった2020年が、終わろうとしています。

私どもにとりましても、大変な年であったことにはちがいないのですが、お客さまからご助言をいただいて「Happy Toco S Club」を立ち上げたことで、思いがけないほど多くのみなさまからご賛同をいただき、心が揺さぶられる感動がありました。


お一人お一人のお顔を思い浮かべ、あらためて、Happy Tocoに関わってきてくださったみなさまへの感謝をかみしめる時間をもたせていただいたことは、ほんとうに、かけがえのない機会でした。


2021年も、情勢がどうなるかは全く分かりませんが、みなさまからいただいたお言葉を胸に、私どもに出来ることから、かたちにしていきたいと思っております。

新年もどうぞよろしくお願いいたします。

(聡子)

楽器で伝えられること

先日久しぶりにホールで演奏しました。

無観客の配信コンサートで、アマチュアとプロ20名程の歌い手さんの伴奏です。

インストゥルメンタルの場合メロディーやコードに合わせた音色やフレーズを意識しているのですが、久しぶりに日本語の歌詞の曲を演奏して言葉に寄り添う演奏というものを再認識しました。

(雅裕)

事務局より

今年は新しく Happy Toco S club を立ち上げ、たくさんの方々よりご支援をいただきました。

誠にありがとうございました。

新年に向けて、また新しい構想が温められています。どうぞお楽しみに!

(みきねえ)