2020.05.07

二十四節気では「立夏」、七十二候では「蛙始めて鳴く」となりました。Happy Toco Houseのある愛子でも、蛙の大合唱が聴こえています。

5月11日がHappy Tocoの結成記念日ゆえ、いつもこの時期は、爽やかな気持ちで、記念Liveの準備をしていたのですが、こういう年もあるのでしょう。

地震による原発爆発や、台風による洪水に、人災の面があるように、このウィルス問題にも、人災と言ってよいところがあるようです。

人間の生き方、住み方、暮らし方が、引き起こしているいろいろな問題は、これからも私たちにこうした事態をもって跳ね返ってくるのかもしれません。

いつの時代を生きるかは、選ぶことができませんが、どのような時代を願うかは、私たちなりにもっと発信して、自分たちに担えることを探してもいいのかもしれない、と改めて考えるこの頃です。

【Happy Toco S Club 】


2008年に結成したHappyTocoは、12年間の活動をおこなってきた。自主ライヴやCDのリリースなどの音楽活動では、世界の様々な地域・民族の音楽に目を向け、音楽と人々の生活の関わりを考え、自分たちなりのアレンジを加えて発表してきた。近年「ビブリオピック」と名付けおこなっている読書会では、参加者が各自の興味関心を持った本を紹介する場を設けた。

13年目を迎える今年は、これまでの活動をさらに展開するかたちで「Happy Toco Salon Club」を開設し、メンバーの私たちと皆さんとで、さまざまなテーマで語り合い、ともに食べたり飲んだりしながら交流できる場所を作り出すことを構想していた。

そんな矢先に、このウイルス騒動が沸き起こった。

各メディアの報道は、ウイルスを人類の“敵”として表わし、感染者数や死亡者数などのデータのみを指標にして感染を抑えることを国や自治体ごとに競い合う形で、まるで映画などのエンターテイメントのような雰囲気をつくり出している。しかし、今起きていることは、ウイルスによる“侵略”でもなければ、ウイルスとの“戦い”でもない。これまで人類の歴史の中で何度となく繰り返されてきた自然現象の一つである。

同時にウイルスは、近代の人類社会のあり方を見直すきっかけを与えてくれた。グローバリズムという経済システムによる覇権、核によるパクス・アメリカーナなどの戦争抑止、民主主義というお題目を笠にきた独占……こういった社会の仕組みが、ウイルスによって一度“解体”させられるかもしれない。そんな大変革をする機会がもたらされるかもしれない。

いま、私たちにとっては、活動の場が奪われ、このままでは存続さえ難しいかもしれない。それでも、上記のような来たるべき大変革のために、私たちなりの発信をしていくという、新たな使命も感じ始めている。

これまでも、club通信やLiveを通じて私たちの世界観は伝えてきているつもりではあるが、 今は「Happy Toco Salon Club」の「Salon」を「Support」に置き換えてのご支援をお願いしているところではあるものの、 活動再開後は「Happy Toco Salon Club」を通じて、新たな発信をしていきたいと思う。

(光裕)

【オンライン】


宮城でいえば、東北大学や宮城教育大学など、多くの大学がオンライン授業を開始しました。

たとえば東京大学では2013年秋からすでに、ハーバード大学、スタンフォード大学、プリンストン大学等々が参加する公開オンライン講座へコースを提供していましたし、そうした方向性が、この機会に一気に進められるのかもしれません。

どのような国や地域に生まれても、何才であるとしても、学びたいという気持ちに応えてくれる場があるというのは、レベルはいろいろあるにせよ、人間にとってはとても大切なことだとつねづね思っておりました。

オンラインも、一つの場としてこれから役目を果たしていくのでしょう。

このたびのコロナ問題で、私ども演奏者という業種は、いち早く、自粛、中止、閉鎖、の真っ只中に追いやられた一つで、2月末にはすでにご依頼のキャンセルが続きましたので、他業種よりも、苦境のスタートは早かったように思います。

そういう意味では、大学のように、すぐに切り替えをはかり、支障を最小限にすべく動くのが賢明だと頭では分かりつつ、次なる行動に移るまでにはすこし時間を要しました。

医療現場の方々の過酷な状況下でのご尽力を想像すれば、受け入れざるをえないことではありましたが、事務的かつ一方的な通達がなされることが続くと、やはり心が折れそうになるものです。

そのようなときに、心の通い合っているお客さまからのご支援が、どれほど大きな助けになったか、はかりしれません。

おかげさまで前を向くことができました。

ご恩を胸に、これからはご期待にこたえていくだけ、と思っております。

音楽家の中には、早々と「オンラインLive」や「オンラインLesson」を開始している方々も多く、またそうしたものが今の時代には求められていたことを感じることもしばしばです。

これもまた、いかなる地域に住んでいようとも、どのような環境にあろうとも、演奏を聴きたいという気持ちに応える場として、選択肢が一つ増えたことになるのかもしれません。

先日、ある配信映像で、演奏者何人かが、それぞれ自宅を公開するかたちで、自室をコンサート会場に、それぞれが自身のステージを披露している様子を観ました。

音楽家の坂本龍一さんは「僕は『みんなで頑張ろう』みたいなのが生理的に嫌い」「『音楽の力で一つになろう』という雰囲気に強い嫌悪感」とおっしゃっていました。私もそのような感覚は持ち合わせているだけに、そうした雰囲気が圧力のようにつよく表現されたものには、いたく抵抗があるのですが、今回、目にした配信映像には、これまでは日々の練習の様子や普段着の生活はあまり見せなかった音楽家たちが、一人一人それぞれに、かならずしも整っているとはかぎらない環境で今出来ることを真剣に模索している姿が、ありました。

私どもも、Happy Toco Houseや6月に開設したいと考えているArayard Picnic Salonを会場に、ハーモニーを考えながらアレンジをしたり、楽譜を書いたり、という日常も公開しながら、どのようなことに時間をかけているか、どのようなことを大切にしているか、そのようなことをお伝えする機会も作っていこうかなと考えているところです。

どうぞ今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。

そして、みなさまも、ご自愛ください。

(聡子)

事務局より

音楽は、CDやレコードでも楽しむことが出来ますが、LIVEではまたそれらとは違う感動があります。

その感動をしばらく味わえないと思うと、とても寂しい気持ちになりますが、今この苦境を乗り越えればまたLIVEの体感を得られる!と思うと希望がわいてきます。

それまで事務局は Happy Toco を全力サポートして参りますので、皆さん、待っていてください♪

(みきねえ)