2020.02.09

角館の「火振りかまくら」、上桧木内の「紙風船上げ」など、小正月行事が盛んな秋田では、そうした"雪があってこそのお祭り"の開催が、危ぶまれるほどの暖冬でしたが、ようやく2月らしい日も。いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

Happy Tocoは、結成した年も、ネズミ年でしたので、ネズミ年を迎え、あらためて初心を思い出し、そしてまた新たなる夢も、メンバー同士で共有したところです。

これまで、叶えることができたことと、できなかったことがありますが、今年はできるかぎり叶えられますように、自分たちを鼓舞しながら、努力してまいりたいと思っております。

新たなことにも挑戦していく所存ですので、どうぞご支援のほど、よろしくお願いいたします。

【一年の計】


今年の5月で結成13年目を迎えるHappy Toco。メンバー一同が1月に集まり、各々の「13年目の夢」を語り合った。

岸川は、前回のclub通信でも書いたように、コードネームも含めて、さらに楽譜を読めるようになりたいという抱負と、Happy Toco Liveをまた大きなステージで行えることを願った。

かくいう私は、これまでも大切にしてきたHappy Tocoの楽曲アレンジの個性、独自性を、さらに突きつめること。そして、新しい音楽の捉えかたを追求し、それを理論的にまとめ、これまでにないセオリーとして打ち出すことを目指したいと考えている。

佐藤は、このセオリーを文章としてまとめる役を買って出てくれた。

まだまだ、実現できるかどうか、その可能性も明らかではないが、それこそが「夢語り」の醍醐味といえるだろう。

(光裕)

【ささやかな集い】


先日、文芸評論家の川本三郎さんのおはなしを山形で聴く機会がありました。

川本さんの著作といえば、文芸や映画の評論、都市と郊外についての論考などがいくつもありますが、フリーになられるまえ、朝日新聞社記者として取材で知り合った活動家たちの事件に関わり、みずからも過ちを犯し逮捕され有罪となった顛末などを記された『マイ・バック・ページ』をまず思い出されるかたもいらっしゃるかもしれません。

一方で、亡き妻への追想を美しい文章で綴った『いまも、君を想う』を思い浮かべるかたもいらっしゃることでしょう。

その川本さんが、ピアニストで文筆家の青柳いづみこさんとともに監修されてまとめられた一冊に『「阿佐ヶ谷会」文学アルバム』があります。

「阿佐ヶ谷会」は、井伏鱒二、太宰治、中野好夫、青柳いづみこさんの祖父である青柳瑞穂などから構成されていました。

将棋大会をしたり、美術鑑賞会をしたり、楽しい集いを重ねていたそうです。

主義主張よりも、気が合うことが一義だったとのこと。

そして一人一人の心の支えになっていたといいます。

そうした集いというものは、世界各地でその時代時代におこなわれていたようで、柏倉康夫さんの『マラルメの火曜会』によれば、詩人だったステファヌ・マラルメの自宅で開かれた「火曜会」には、画家のピエール・オーギュスト・ルノワール、ポール・ゴーギャン、ベルト・モリゾ、詩人のアンドレ・ジッド、ポール・ヴァレリー、作曲家のクロード・ドビュッシーなどが集まっていたのでした。

文学や音楽といったものが、そういった中から生まれる、ということが、空気感が伝わってきます。

「火曜会」、「阿佐ヶ谷会」のようにはいきませんが、ささやかながら、そうした空気感を思い描いて、昨年1月から、仙台・愛子の「Happy Toco House」で月に1回の読書会を始めました。

研究者、作曲家などが集まってくださり、本や音楽を紹介し合ったり、そこから話が広がったり。

それこそ、阿佐ヶ谷会を見習って、主義主張よりも、気が合うことが一義、という考えで、今年も開催をしていきたいと思っています。

Happy Toco Houseはごく小さな空間のため、クローズドでおこなっていますが、3月22日に、はじめて街へ飛び出し、音楽会のあとに読書会をおこなってみることにいたしました。

おはなしするご参加のかたちでも、お聴きになるだけのご参加のかたちでも、どちらでも大丈夫です。

よろしければ、音楽会に引き続いて、合わせてお楽しみいただけましたら幸いです。

それにしても、どなたかのおはなしをじっくり伺うというのは、どうしてこんなにも愉しいものなのだろう、と講演会やトークセッションでよいおはなしをお聴きできたときにはいつも思います。

そして、その会が、ごく少人数であればあるほど、濃密な時間になることもあることをたびたび感じるこの頃です。

(聡子)

催しのおしらせ

◆2020年2月21日(金)、3月6日(金)仙台

 NHK文化センター仙台教室

 ジャズのあじわい~ジャズ・チルドレン~

 出演:Honey Toco from Happy Toco  榊原光裕・佐藤聡子

 会場:NHK文化センター仙台教室 仙台市青葉区立町27-21-2F

 時間:18:30~20:00

 1回のみの受講も可能です。(3,240円/1回)

 お申し込み・お問い合わせ:NHK文化センター仙台教室 TEL:022-224-4811

◆2020年3月22日(日)仙台

 Honey Toco from Happy Toco となりのえんがわライヴ

 出演:Honey Toco from Happy Toco 榊原光裕・佐藤聡子

 会場:となりのえんがわ 仙台市宮城野区銀杏町4-29 TEL:022-256-7223

 時間:13:00 開場

13:30 Live Concert

14:30 Tea Time

15:00 Biblio-pique

 お申し込み・お問い合わせ:Happy Toco事務局

◆2020年4月25日(土)26日(日)秋田

「アラヤ―ド・ピクニック第6回」

 出演:Honey Toco from Happy Toco 榊原光裕・佐藤聡子

 会場:アラヤイチノ 秋田市新屋表町8-11

 主催・お申し込み・お問い合わせ:アラヤード・ピクニック実行委員会

Email arayard-picnic@happytoco.jp TEL 090-6620-3105

◆2020年5月10日(日)仙台

 Happy Toco ライヴ

 出演:Happy Toco 榊原光裕・佐藤聡子・岸川雅裕

 会場:となりのえんがわ 仙台市宮城野区銀杏町4-29 TEL:022-256-7223

 時間:14:00開場 14:30開演 ご予約3600円 当日3900円

 お申し込み・お問い合わせ:Happy Toco事務局

◆2020年5月17日(日)秋田

「ENGLISH COTTAGE SALON CONCERT

『世界をめぐる音楽』第12回」

 出演:Honey Toco from Happy Toco  榊原光裕・佐藤聡子

 会場:イングリッシュ・コテージ

 秋田市手形山中町3-3 TEL018-835-1242

 時間:開演11:30 お食事12:40 5500円

 主催・お申し込み・お問い合わせ:Happy Toco Office

 happytoco@happytoco.jp 

※アクセスにつきましては、会場にお尋ねください。

事務局より

本を読む、ということから離れている生活をしていますが、20代の頃は、よく父の本棚から拝借して色んな本を読んでいたことを思い出します。

その中でもワクワクして読んだのはサスペンスや推理ものでした。

物語を読むということは、自由に想像し、自分だけの世界を作り出せるもののような気がします。

映像の世界も素晴らしいですが、想像の世界もまた、いいものです。

(みきねえ)