2020.01.11 号
年始をいかがお過ごしでいらっしゃいますか?
満月は、明々後日11日ですが、新年のご挨拶をかねて、今回は、すこしばかり早い配信です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、Happy Tocoは、先月29日に最後のLiveをおこなったばかりですが、今月13日に、さっそく最初のLiveを開催いたします♪
昨年「もっとLiveを開催してほしいです!」とお客さまたちからたびたびいただいたお声におこたえすべく、今年はさまざまに展開したいと思っております。
ところで本号から、キッシことドラムの岸川くんも、ときどきClub通信に文章を書いてくれることになりました。
今年は、練習やリハーサルとは別に、月に1度、それぞれ関心をもったことについてじっくり話し合う日をもうけることにしたところでしたし、よりお互いの音楽観を理解し合うことができそうです。
三人三様の面もありつつ、お互いをとても大切にして尊重し合うメンバー三人であることに、いつも「Happy Toco」の幸せを感じています。
本年が、実り多き、よき1年となりますように♪
【となりのえんがわ】
今日びは、平成生まれの世代も多く、縁側(えんがわ)というものを知らない人もいる。
昭和以前の日本映画に時々あらわれる、家と庭との境にある、板張りの空間。当時の家は、“そと”と“うち”の境界に雨戸やガラス戸があり、この戸と、家の中の部屋の戸や障子との間にある、廊下のような場所。大正時代から昭和の前半に建てられた“日本式”の家屋は、その前の時代に建てられた家を建て増しや改築するものや、江戸時代の「粋」を取り入れた数寄屋風書院造など。そのように建てられた多くの家に、縁側があった。
主に南側に向かって作られた縁側は、部屋と部屋をつなぐ廊下としての機能と、外からの光を家の中に効率よく取り込む機能などを備えていたが、もう一つ、大きな役目がある。
昔の映画や、サザエさんなど昭和期のアニメ(漫画)に縁側が登場するとき、そこには家族の誰かがのんびりと、何をするでもなく座っていたり(時には猫なども一緒に)、ご近所の知り合いがやってきて世間話をする情景が描かれていることが多い。縁側は、特に大きな目的を持たない人がくつろぎ、時には気のおけない人と何気ない世間話をする憩いの場、コミュニケーションの場であった。
宮城野納豆の敷地に作られた「となりのえんがわ」には、そんな縁側としての役割を持つようにと願うご主人の気持ちが表れているのだろう。
私たちHappy Toco は、今年「となりのえんがわクラブ」と称して、ライヴや読書会など様々な企画を行っていく予定だ。その第1弾として、来る1月13日、新春特別ライヴを行う。
お飲み物を片手に、私たちの演奏で春にちなんだ曲をお聞きになりながら、新しい春を迎える気持ちを、皆さんがともに共有してくだされば幸いです。
(光裕)
【静寂と思索と音楽と】
年頭に、録りためていた番組の中から、NHK「漂泊のピアニスト アファナシエフ もののあはれを弾く」を観ました。
ピアニストであり、また作家、詩人でもあるヴァレリー・アファナシエフは、モスクワ生まれで、モスクワ音楽院でエミール・ギレリスなどに師事した後、旧ソ連の表現への規制が強まる中で、"西側"への亡命を決行したかたでした。
自由は得たものの、故郷を捨てたゆえの地獄と、国からの抑圧のかわりに、商業主義と大衆化というもう一つの地獄とに直面し、だんだんとステージの回数を極力おさえ、多くの時間を読書と思索にあてるようになったというおはなしには、惹き込まれました。
モスクワでの学生時代、読み耽った日本の古典文学にあらわれる「間」や「もののあはれ」は、アファナシエフによれば「私自身がすでに持っていた感覚でもあった」とのこと。人生には、幸福と不幸が入り混じっていて、それらはけっして切り離しえないものである、ということもよくよく認識しているからこそだったことでしょう。
「人からは敗者に見えるでしょうが、自分の中では、美にすべてを捧げる勝者」とみずからを語ったアファナシエフは、ステージ上で、哲学的なエッセイを朗読することもあるとのこと。
詩作品の一節には「音楽の中に沈黙が立ちあがるその時、音楽は自分自身に耳を澄ます」とありました。
教え子へのレッスンでは、「音楽は、静寂の中から立ちあがり、静寂の中へと戻っていくもの」「フォルテシモで弾いているときでさえも、静寂を感じとることが大切」といったことを語っていらっしゃいました。
キエフ生まれのヴァレンティン・シルヴェストロフが作曲した「オーラル・ミュージック」を奏でたとき、それはまさに"静寂から立ちあがった"音でした。
Happy Tocoも、どんなにフォルテシモで弾いているときも、ピアニシモを意識し、ときに音楽の静謐さ、なによりメンバー間の呼吸をことさらに大切にしているユニットであると自負しています。
尊敬や深い共感をおぼえる芸術家の言葉に触れることは、私どもにとって、かけがえのない心の支え、と感じた年始でした。
(聡子)
【空間の描写】
昨年末からコードの勉強を始めました。
コード、暗号という意味もありますが、音楽の中では音を重ねる構成音?
そこらへんのことはよく分かりませんが………
つまりは音符ではなくアルファベットで書かれてるコードを読めれば何の音を弾けばいいのか分かるというもの。
ドラムはメロディー楽器ではないので読めなくても演奏できるのですが、理解できると良いことがあり。
それについてはまたいつか………
(雅裕)
催しのおしらせ
◆2020年1月13日(月・祝)仙台
Happy Toco 新春ライヴ
出演:Happy Toco 榊原光裕・佐藤聡子・岸川雅裕
スペシャルトーク:加藤諭
会場:となりのえんがわ 仙台市宮城野区銀杏町4-29 TEL:022-256-7223
時間:14:00開場 14:30開演 ご予約3600円 当日3900円
お申し込み・お問い合わせ:Happy Toco事務局
◆2020年2月21日(金)仙台
NHK文化センター仙台教室 ジャズのあじわい~ジャズ・チルドレン~
出演:Honey Toco from Happy Toco 榊原光裕・佐藤聡子
会場:NHK文化センター仙台教室 仙台市青葉区立町27-21-2F
時間:18:30~20:00
1回のみの受講も可能です。(3,240円/1回)
お申し込み・お問い合わせ:NHK文化センター仙台教室 TEL:022-224-4811
※アクセスにつきましては、会場にお尋ねください。
事務局より
あけましておめでとうございます。
今年は気持ちも新たに、早めにLIVE日程を決めて皆様にお伝えしたいと思っておりますので、真っ先にスケジュールに入れてくださいね♪
ご予約お待ちしております♪
今後のスケジュールは、アラヤード・ピクニックが4月25日&26日、イングリッシュ・コテージ・サロンコンサートが5月17日となっております。
「となりのえんがわ」でのLIVEは、5月10日、8月16日、9月6日、12月13日となっておりますが、まずは今月13日にお待ちしております!
(みきねえ)